AIを使えば、文章から穴埋め問題を作ること自体はかなり簡単になりました。
ただ、空欄を増やせば学習しやすくなるわけではありません。
接続詞まで消えて文脈が分からなくなったり、用語と説明を同時に隠して「何を答えればいいのか」が分からなくなったりすると、問題として使いにくくなります。
自分は、社内知識や独自ルールのように市販教材がない内容を覚えるとき、「読むだけでは残りにくい」と感じたことをきっかけに穴埋め形式を使うようになりました。
この記事では、AIに穴埋め問題を作らせるときに人間側で確認したいポイントを、自分が作っている学習Webアプリ「穴埋めノート」の考え方とあわせて整理します。
この記事のポイント
- AIに問題作成を任せつつ、重要箇所は人が確認する
- 手がかりを消しすぎず、思い出しやすさを残す
- 用語と説明を同時に隠さず、問いの軸を1つにする
穴埋め問題は「何を思い出させたいか」を決めるところから始まる
穴埋め問題を作るとき、最初に考えたいのは「どこを消すか」ではなく、この問題で何を思い出してほしいのかです。
たとえば、次の文章があるとします。
「HTTPSは、HTTPによる通信をTLSで暗号化する仕組みです。」
用語を覚えたいなら、
「〇〇は、HTTPによる通信をTLSで暗号化する仕組みです。」
という形にできます。
逆に説明内容を思い出したいなら、
「HTTPSは、HTTPによる通信を〇〇する仕組みです。」
のように、答えの切り口を変えられます。
同じ文章でも、「用語を答える問題」と「意味を答える問題」では確認したい知識が違います。
AIに問題を作らせる場合も、ここを指定したり、生成後に人間が確認したりすることが大切です。
読者
YuLab
自分で問題を作る工程にも学習の意味があると感じた
穴埋め問題には、完成した問題を解くだけでなく、どこを問題にするか考える工程にも意味があると感じています。
教材を見ながら、「ここは重要そう」「この用語は覚えた方がいい」「この説明は意味まで理解したい」と判断するからです。
太字やアンダーライン、章のタイトル、繰り返し出てくる言葉なども、重要箇所を考える手がかりになります。
もちろん、太字だから必ず出題される、という意味ではありません。
あくまで「何を覚えるべきか考える材料」として使っています。
補足
太字やアンダーラインは「重要そう」と判断する手がかりの一つです。出題されることを保証するものではありません。
一方で、毎回人間がゼロから問題を作るのは時間がかかります。
そこで、問題作成の作業量はAIに任せ、人間は問題として成立しているかを確認する役に寄せるのが使いやすいと考えています。
AIで穴埋め問題を作るときの3つのチェックポイント
本当に重要な部分が空欄になっているか
AIは文章の中から、それらしく穴埋め箇所を選べます。
ただし、学習者にとって重要な部分と、AIが選んだ部分が一致するとは限りません。
そのため、生成された問題を見て、
- 覚えたい用語が隠れているか
- 重要度の低い語句ばかり問題になっていないか
- 今回の学習目的に合っているか
を確認します。
AIに作成を任せても、「何が重要か」という判断まで完全に任せないのがポイントです。
思い出すための手がかりを消しすぎていないか
穴埋め問題は、難しくすればよいわけではありません。
前後の文脈があるからこそ、「あの言葉だったはず」と思い出せる場合があります。
たとえば接続詞や、対象を説明するための重要な文脈まで空欄にすると、何を聞かれている問題なのか分からなくなることがあります。
自分は、AIが作った問題を見るときに、答えを導くために必要な手がかりが残っているかを確認するようにしています。
難易度を上げるために情報を減らしすぎるより、まず「何を思い出す問題なのか」が分かることを優先します。
用語と説明を同時に隠していないか
特に気をつけたいのが、用語とその説明の両方を同時に消してしまうケースです。
たとえば、
「〇〇は、〇〇を暗号化する仕組みです。」
だけでは、元の文章を知らないと候補が広すぎます。
これでは「知識を思い出す問題」より、「元の文章を当てる問題」に近くなってしまいます。
用語を隠すなら説明を残す。
説明を隠すなら用語を残す。
このように、問題の軸を1つにすると答えやすくなります。
注意
用語と説明の両方を同時に隠すと、知識を思い出す問題ではなく「元の文章を当てる問題」になりやすくなります。
「用語を隠す問題」と「説明を隠す問題」の両方を作る
AIを使うメリットの一つは、問題を増やすコストが低いことです。
同じ文章から、
- 用語を答える問題
- 説明の一部を答える問題
の両方を作ることもできます。
一方向だけで覚えるより、違う切り口から同じ内容を確認できます。
もちろん、問題数を増やしすぎると学習量も増えるので、すべての文章で両方を作る必要はありません。
重要な内容や、何度も間違える部分だけ両方向から確認する、といった使い分けもできます。
AIに任せるのは「作成」、人間が見るのは「設計」
自分が今考えている役割分担はシンプルです。
AIには問題を作る手間を減らしてもらい、人間は学習問題として成立しているかを見る。
人が確認するチェックリスト
- 重要な部分が問題になっているか
- 必要な文脈や手がかりが残っているか
- 何を答える問題なのか明確か
具体的には、
- 重要な部分が問題になっているか
- 必要な文脈や手がかりが残っているか
- 何を答える問題なのか明確か
を人間が確認します。
AI生成だからそのまま採用するのではなく、最後に「この問題で何を思い出してほしいのか」を確認するだけでも、かなり使いやすくなります。
穴埋めノートでは、この考え方を実際の学習で検証中
自分は、この考え方を使って「穴埋めノート」というWebアプリを作っています。
文章や教材から穴埋め問題を作り、実際に答えながら学習できるようにしたものです。
現在はITパスポートの学習でも使いながら、学習時間や正答率などを残し、「自分では使いやすい」だけでなく、どの程度学習に役立つのかを検証しています。
そのため、この記事で「穴埋めにすれば必ず学習効果が上がる」と断定するつもりはありません。
まずは、問題作成の負担をAIで減らしながら、実際に使える問題をどう作るか。その設計を改善している段階です。
まとめ
AIを使えば、穴埋め問題を大量に作ることは簡単です。
ただし、大切なのは問題数ではなく、何を思い出させる問題なのかが成立していることです。
自分が確認しているのは次の3点です。
- 重要な部分が空欄になっているか
- 必要な手がかりを消しすぎていないか
- 用語と説明を同時に隠していないか
AIには作成作業を任せる。
人間は、重要箇所・手がかり・問いの成立性を確認する。
この分担なら、問題作成の手間を減らしながら、自分が学びたい内容に合わせて調整しやすくなります。
まとめ
- AIは問題作成の工数を減らす
- 人は重要箇所・手がかり・問いの成立性を見る
- 難しくするより、何を思い出す問題かを明確にする
穴埋めノートはこちら
今回紹介した考え方をもとに作っているWebアプリです。
穴埋めノート
穴埋めノートを使ってみる
現在も実際の資格学習で使いながら、改善と検証を続けています。

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